ロシア美術の宝庫「トレチャコフ美術館」を訪ねて

モスクワ観光3日目
ホテルのインツーリストで今夜バレエを
観るためチケットを受け取り
今日の目的地「トレチャコフ美術館(旧館)」へと向かいました。
ホテルに近い地下鉄駅「キタイゴーラト」から「トレチャコフスカヤ」まで乗り
駅を出るとすぐ美術館に着くことができました。
ここはロシア絵画の殿堂と呼ばれていて
創設者は19世紀の実業家兄弟パーヴェルとセルゲイ・トレチャコフ。
彼は生涯をかけてロシア人画家の作品を収集し
芸術の力を次世代に伝えようとした人物です。

外観はやや控えめな印象ですが扉をくぐった瞬間
その壮大さに圧倒されました。
広々としたホールに並ぶのはイコン(聖画)から近代絵画まで
ロシア美術の変遷を一望できる数々の傑作。
特に古代ロシア正教の象徴ともいえるアンドレイ・ルブリョフの
「三位一体」は必見の価値あり。
金と青を基調にした神聖な輝きが
見る者の心を静かに包み込みます。

イワン雷帝と息子
続いて19世紀の写実主義を代表する画家の一人
イリヤ・レーピンの「ヴォルガの舟曳き」
教科書で観た重労働に耐える男たちの姿や
「イワン雷帝と息子」と言った絵画は絵の中から
汗の匂いや風の音までも伝わってくるようでした。

大貴族婦人モローゾバァ
他にもスリーコフの「大貴族婦人モローゾバァ」といった
名画家たちの作品が次々と現れます。
どの絵にも共通しているのは人間の内面を深く見つめる眼差し。
ロシア美術が「魂の芸術」がここにあると実感しました。
芸術の世界にどっぷり浸かった数時間。
美術館を後にすると外の冷たい空気が心地よく感じられました。
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ルビンカヤ広場で感じるロシアの「もうひとつの顔」

次の目的地はトレチャコフ美術館を出て地下鉄で
キタイゴーラトからグズネスキーモストまで乗り
そこから地下鉄構内を歩きルビンカヤ駅を目指しました
ルビンカヤ駅に着き外に出ると「ルビンカヤ広場」があり
大きな建物が目に入ります。
今は「ロシア連邦保安庁(FSB)」の建物となっていますが
かつての「KGB本部」があった場所で
その重厚な外観は今も旧ソ連時代の名残を色濃く残していました。
黄色い壁に囲まれた四角い巨大な建物。
かつて冷戦時代に数多くの情報が行き交い
人々の運命を左右した場所だと思うと
足元の空気が一段と重く感じられた。

広場の一角には人権団体「メモリアル」が設置した
ソ連時代に粛清された人々を追悼する記念碑が立っています。
北極海のソロフキー強制収容所から運ばれた石で
30年ぐらい前NHKスペシャル「社会主義の20世紀 歴史の空白は埋まるか」
でも紹介され多くの人々が花を手向けていた。
私もその前に立ち静かに手を合わせました。

その後ボリショイ劇場に向かう前に
劇場広場にある「労働組合の家」に向かいました。
なかには入れなかったですが
ここはスターリンが政敵を
公開裁判にかけた場所になります。
モスクワという街は華やかな文化とともに
こうした歴史の影を必ず抱えている。
トレチャコフ美術館で感じた「美の輝き」の近くに
こうした苦難の時代がある。
何とも複雑な気持ちになりました。
華麗なる夜の幕開け「ボリショイ劇場」でバレエを観る

この後、私はこの日のクライマックス
ボリショイ劇場へ向かいました。
白い列柱と金色の装飾が施された荘厳な建物。
世界三大バレエ団のひとつ「ボリショイ・バレエ」の本拠地であり
モスクワの象徴とも言える劇場です。
内部に入ると、赤と金を基調とした豪奢なインテリアが広がっています。
天井には巨大なシャンデリアが輝き
私は1階のほぼ中央席に腰を下ろし、静かに開幕を待ちました。


音楽はモーツアルトの曲を使ったもので
バレエが始まるとバレリーナの動きは
まさに羽のように軽やかで指先の一つ一つにまで
魂が宿っているようでした。
さらに彼女の儚くも強いまなざしに
観客の眼は釘付けに。
終幕後、会場は拍手と歓声に包まれ
カーテンコールが何度も続きました。
ロシアでバレエを観れたこと
その場にいられたことにただ感動でした。
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芸術と歴史が共鳴する街・モスクワ
今日もロシアの歴史を感じる1日になりました。
トレチャコフ美術館やボリショイ劇場で
出会った芸術の純粋や芸術の輝き。
ルビンカヤ広場で感じた
歴史の重みと記憶。
モスクワという国は栄光と苦難
芸術と現実が交差す街街といえます。
劇場を出ると夜のモスクワに
雪が静かに舞い落ち
街灯の明かりで輝いていました。
ホテルにPM22:00頃に着き売店で
ビールのバルディカ(25ルーブル)と
もう一つ別のビール(20ルーブル)を買い
長い1日が終わりました。
4日目に続く
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